用語説明

 

 

■  債権、債務

 住宅ローン契約を締結したことにより生じる貸した側の権利が債権、借りた側の義務を債務という。債権とは、返済という一定の行為を請求する権利であり、債務とは返済という一定の行為を為す義務である。

 

■  連帯債務 ( )

 複数の者が同一の内容の給付について、各人が独立して全部の弁済をなすべき債務を負う多数当事者の関係をいう。

 

■  保証 ( ) 債務

 他人の債務について、他人がその債務を履行しない場合に、その債務を他人に代って履行する責任を負うこと。

 

■  連帯保証 ( )

 保証人が主たる債務者と連帯して保証債務を負担する形態をいう。連帯保証も保証の一種であるが、普通の保証よりも担保性が強く債務者と同じ責任を負う。

 

■  担保

 ローンの返済が出来なくなる事態に備えて、予め融資額と同程度の物 ( 物的担保 ) あるいは保証人 ( 人的担保 ) を提供し債務の弁済を確保し保障すること。

 

■  抵当権

 お金を借りるにあたり不動産などの財産を担保として提供し、提供された者が優先的にその財産から自分の債権の弁済を受けることが出来る権利のこと。

 抵当権は設定した順に優先順位がつけられる。競売の申立て等の抵当権の実行はどの順位の抵当権者もできるが、その配当は上位の抵当権者から順に受けることとなり一番抵当権の人が先ず取って残りを次順位の人が順次取って行く仕組みである。

 

■  無剰余

 上位の抵当権者から取り分を回収していくことにより、下位の抵当権者には配当の見込みがない状態のこと。

 

■  滌除 ( 民法改正により抵当権消滅請求となる )

 抵当権の付いた不動産を取得した第三者が、自らが適切と定めた評価額を抵当権者に支払い又は供託することで、その抵当権を消滅させてくれと要求する制度。

 抵当権者は評価額が承諾できない場合には、一ヶ月以内に増価競売 ( 1割以上高い金額で競落する者がないときは1割高で自分が競落することとなる競売 ) の請求をすることができる。

 

■ 担保割れ ( オーバーローン )

 住宅ローンの残高が、担保である不動産の価値よりも上回っている状態。つまりは、その不動産を売却してもローンを返しきれない状態をいう。

 

■  期限の利益の喪失

 住宅ローンを組んでいることにより返済期日毎に一定額を返済すればよいこととなっている権利が期限の利益であり、これを失うこと。一般的に滞納6ヶ月でこの措置がとられ、一括返済の必要がでてくる。

 

■  リスケジュール

 債務の返済条件を変更してもらうこと。返済期間の延長により月々の返済を減額してもらうことや一時的に返済を待ってもらう等の交渉を金融機関と行う。

 

■  債務整理

 任意整理、特定調停、個人再生手続き等がある。

 

■  任意整理

 弁護士を通して、債権者と利息の引き下げや長期分割で返済できるよう債務を整理してもらうもの。

 

■  特定調停

 簡易裁判所による手続きで、このままでは返済を続けていくことが難しい方が申立てることにより債権者と返済方法などについて話し合って生活の建て直しを図ろうとするもの。

 

■  個人再生手続

 債務が住宅ローン以外で 3000 万円以下であること、安定した収入があること等を条件に、債権者の同意は必要なく裁判所の権限で再生計画が認可されるもの。固定収入が見込める給与所得者以外は困難なことが多い。

 住宅ローン以外の債務について1/5〜1/10に圧縮され原則3年 ( 5年まで延長可 ) 返済となる。

 平成13年民事再生法の改正によりできた民事再生の個人版の制度であり、手続は弁護士を通して行われる。

 

•  自己破産

 債務者自身が裁判所に申立てて破産宣告を受けること。免責決定を受けて借金等が無くなるがそのリスクも大きい。

 ・必要最小限の生活用品を除き所有する全ての財産が処分の対象となる。

 ・貴方の理解者である保証人に迷惑をかける。

 ・一定の資格や職を失う。(弁護士、税理士、公認会計士、司法書士、社会保険労務士、不動産鑑定士、宅地建物取引業者、土地家屋調査士、証券取引外務員、生命保険募集員、質屋等)

 ・以後7年間位は、ローン、クレジット等は利用できない。

夜逃げをするよりは益し位に考えて欲しい。

 

■  リースバック

 所有していた不動産について、新たに賃貸借契約を締結することにより住み慣れた環境の変化を回避する方法。

 

■  保証会社

 融資を受けるとき、連帯保証人を立てる代わりに保証料を以って連帯保証の役割を果たしてくれる会社。債務者がローンの返済が出来なくなった場合に債務者に代って金融機関に債務の弁済を行う。

 

■  代位弁済

 債務者がローンの返済が出来なくなった場合、債務者に代わって保証会社が債務の弁済を行うこと。これにより債権、担保権等が金融機関から保証会社に移る。

 

•  サービサー

銀行等から不良債権を買い取り、それを回収することを正業としている民間会社。それまで弁護士にしか認められていなかったこの業務が平成11年「債権管理回収業に関する特別措置法」の成立により認められるようになった。

 

■  差押え

 債権者が競売開始を申立てた時点で不動産に設定される登記。これにより所有者はその不動産を自由に処分することが出来なくなる。

 また、官公庁より公租公課の滞納により差押えが行われることもある。

 

•  競売

 裁判所が債務を弁済することが出来なくなった人の所有する不動産を差押えて、これを売却し、その代金を債務の弁済に充てる手続きをいう。

 債権者の申立てにより債務者所有の抵当権設定不動産を売却してもらう任意競売 ( 事件番号“ケ” ) と、判決や公正証書等の債務名義に基づく強制執行による強制競売 ( 事件番号“ヌ” ) とがある。

 競売物件には次のようなリスクがある。

 ・引渡し前に物件の中を見ることが出来ない。

 ・現金を用意しなければならない。(銀行融資が利用できない。)

 ・物件の引渡しがスムーズに行われるとは限らない。

このことから通常の相場より大幅に安くなるといわれている。

 

■  任意売却

 ローンの返済が一定期間滞っているとき、競売となる前に担保付不動産を市場にて売却するもので、債権者・抵当権設定者の同意を得て行うもの。

 競売よりは市場価格に近い価格で処分できるが、抵当権の解除等に精通した交渉能力を要する。

 

■  受命通知

 債務処理の権限を弁護士が委任を受けた旨の通知。これにより債権者は直接の取立てはできず弁護士を通さなければならなくなる。

 

■  法定地上権

 競売の結果、土地と建物の所有者が異なるに至った場合、建物所有者のために法律上当然に地上権を与えるとしたもの。

抵当権設定当時、その土地の上に建物が存在し、土地と建物の所有者が同一であることが要件となる。